気象予報士2670号(金子大輔)の天気・気象ブログ

お天気・気象ネタを書いていくブログです♪。気象好きな方、空や雲が好きな方、よろしくおねがいします。

雷を伴う東京の大雪(1998年1月8日~9日)

1998年1月8日~9日、南岸低気圧関東は大雪❄
前橋31センチ、宇都宮29センチ、秩父28センチ、熊谷25センチ、
横浜20センチ、東京15センチ、水戸8センチ、千葉4センチなど。

東京・横浜では総降水量36ミリに達し、雷を伴った⚡

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東京など、関東平野で雷を伴う雪は珍しい。
発雷の背景を考察してみる。

発雷した時刻は、1時間に5~10ミリと
雪としてはかなり強い降水に見舞われていた。

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しかしエマグラムを見ると、
SSIがプラスの19.22とかなり安定していることがわかる。
大気の状態が不安定なことが起因ではなさそうだ。

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 天気図を見ると、ちょうど関東付近に
低気圧の中心が近づきつつある。

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低気圧は9987hPaまで発達し、閉塞が始まっていた。
閉塞が始まる際の、閉塞点での激しい上昇気流により、
積乱雲が発生したものと思われる。

雷の種類としては「渦雷」に近いのではないか。
他に、関東で雷をもたらした南岸低気圧の事例も検証してみたい。

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都心などで雷雨

20日の東京は、午前中よく晴れたものの、
午後はもくもくした雲が増え、夕方には雷雨となった。

 

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↑23区西部から栃木県に、線状の積乱雲。
小山市で1時間に31.5ミリの激しい雨を観測。

 

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↑夏の雷雨のような猛々しさはないが、それなりに落雷も発生している。

 

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↑落雷の範囲は、時間とともにばらけていく。

 

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↑レーダーで見ても、シャープな雷雲が、ばらけて弱まっていくような感じ。
このエコーだけ見ると、まるで層状雲のよう。

 

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↑天気図では、19日にくらべ、大陸からの高気圧が南下。
関東でも晴れ間が広がりやすくなっている。

 

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↑しかし、上空約5500メートルで-21℃以下の寒気

 

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↑午前9時のエマグラム。
上空は乾いているが、気圧の谷に入っていることが示唆される。
また、地表付近では湿った東風が入っている。

 

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↑21時のエマグラム。全層に渡って湿っている。
今回の雷雲の推定の高さ(厚さ)は、マックスで7500メートルくらいか?

上空に強い寒気、北陸で集中豪雨

秋雨前線が南下し、大陸の高気圧に北から覆われている。

大陸に寒気が溜まり、秋が深まってきたことを示唆している。

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北海道や西日本太平洋側をのぞいて天気がぐずつき、

特に北陸で、雷や雹を伴う猛烈な雨が降っているところも。

石川県珠洲市付近で1時間に100ミリの雨が降ったと推定される。

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珠洲市に豪雨をもたらしたと思われる積乱雲。

山陰沖には渦を巻く寒冷渦(上空に寒気を伴う低気圧)の雲が見える。

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関東も、北方の高気圧から冷たく湿った空気が流れ込み、
低い雲がべったり。ときどき雨も。

 

 

上空約5500メートルには、-20℃の寒気が流れ込む。
これは、冬に東京で雪をもたらす寒気に匹敵する。

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輪島のエマグラム。500hPa(上空約5500メートル)では、

やはり₋20℃を下回っている。

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このように、上空に寒気、地表に暖気が残る」

大気の状態が不安定となり、積乱雲が発生しやすくなる。

 

特に晩秋~初冬は、北陸や新潟で積乱雲が発達しやすく、
ときに集中豪雨をもたらす。

季節が進むと、このような積乱雲がもたらす雨(しぐれ・時雨)
は雪へと変わっていくのだ。

台風24号が日本列島へ

29日は、台風24号が沖縄~奄美地方を通過。
記録的な暴風に見舞われた。


【最大瞬間風速】
鹿児島県与論島:56.6メートル
沖縄県糸数:56.2メートル(観測史上1位の値を更新)
沖縄県奥:53.8メートル
沖縄県渡嘉敷:53.3メートル
沖縄県那覇:53.1メートル
沖縄県宮城島:52.5メートル
沖縄県慶良間:51.4メートル(観測史上1位の値を更新)
鹿児島県天城:51.4メートル
鹿児島県古仁屋:49.1メートル(観測史上1位の値を更新)
沖縄県北原:47.3メートル


また、秋雨前線が停滞している影響で、
台風から離れた地域でも猛烈な雨が降った。


【1時間降水量】

鹿児島県与論島:107.0ミリ(観測史上1位の値を更新)
和歌山県新宮市:93.5ミリ
和歌山県潮岬:82.5ミリ (9月の1位の値を更新)
三重県阿児:70.5ミリ(9月の1位の値を更新)

 

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↑大型で非常に強い台風24号奄美地方へ。

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↑目が非常に大きいのが特徴的。
このため、台風から離れたところで大雨が降りやすい。

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↑30日の予報。九州から東北まで「暴風雨マーク」が並ぶのは圧巻。

 

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↑30日以降、時速90キロくらいまで加速する見込み。


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↑進行方向右側では、記録的な暴風となる恐れがある。

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↑東京でも最大風速35メートルくらい、
最大瞬間風速は40~50メートルに達して、史上1位を塗りかえる可能性も。

 

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↑台風と秋雨前線の雲が全国的に広がっている。

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↑30日夜の上陸後も、渦度が1000を超えてそうだ。

 

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↑関東も湿った南風が非常に強まり、猛烈な暴風雨になりそう。

 

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↑上昇気流-200超えで、竜巻などが発生するかもしれない。

 

 

関東などで非常に激しい雨、雷も

関東で昼前から降り出した雨は、
午後には強まり、局地的に非常に激しい雷雨となった。
道路が冠水するなどの被害も出た。

 

【1時間雨量】
東京都神津島:71.0ミリ (観測史上1位)
東京都八丈島:63.0ミリ
東京都八重見ヶ原:61.0ミリ
東京都新島:57.0ミリ (9月の1位の値を更新)
山形県鶴岡市鶴岡:43.0ミリ
静岡県石廊崎:42.0ミリ
東京都八王子市八王子:40.0ミリ
東京都利島:38.0ミリ
静岡県網代:36.0ミリ
東京都青梅:32.5ミリ

 

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↑南岸に秋雨前線が停滞し、台風からの湿った暖かな空気が流れ込む。

 

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↑衛星画像で見ても、台風の雲と前線の雲がつながっているように見える。

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↑伊豆諸島~南岸で落雷も多数発生。

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↑9時の段階では上空は意外にも乾いていることがわかる。

 

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八丈島はもっと乾いている……。

 

上空の乾いた空気と非常に激しい雨がどう絡み合ったか、

検討してみる価値がありそうだ。

関東で非常に激しい雨(発雷ほとんどなし)

関東地方、昨日より地上の気温は低くなったものの、

上空約5500メートルには

昨日より強い₋9℃以下の寒気が入って、

大気の状態が不安定になっていた。

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↑SSI(大気の安定度)はプラスだが、全層に渡って湿っている。

下層で東寄りの風、中層で南成分を持った風。

 

夕方には東京板橋区荒川区、埼玉県戸田市など

関東南部でも1時間に50~70ミリの非常に激しい雨

 

【1時間降水量】
茨城県鉾田市鉾田(ホコタ):49.5ミリ
埼玉県久喜:43.5ミリ
東京都千代田区:38.5ミリ

【6時間降水量】
茨城県鉾田市:98.0ミリ
東京都江戸川区臨海:66.0ミリ
茨城県水戸市:54.5ミリ

【48時間降水量】
東京都江戸川区臨海:101.5ミリ
茨城県鉾田:98ミリ
東京都羽田:86ミリ
東京都千代田区:66.5ミリ
東京都世田谷区:65ミリ

 

ただ、落雷はほとんど観測されず、

気象衛星でも積乱雲らしさはあまりなかった。

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21時過ぎ、いったん収まったかに見えたが、

23時頃、再び23区東部で激しい雨に見舞われる。

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江戸川区でも、局地的に1時間に50ミリクラスが

降っていた可能性が高い。

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関東南部で局地的な雷雨

日本列島は弱い気圧の谷に入り、

関東を「寒冷前線モドキ」が通過(?)。

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↑午前中の時点では、大気の状態はそれほど不安定でないが、

全層に渡って、わりあい湿っている。

 

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↑東京ー埼玉の堺にわらわらと……。

 

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江戸川区付近で雲がまとまってきました。

 

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↑実際、江戸川区では大粒の雨がバタバタ降ってきています。

 

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↑雲は南下しながらも、範囲が広がってくる。

この時点では発雷はなし。

 

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↑雷雲としてまとまり、雷放電が始まった。

 

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↑東京の南部で雲がまとまり、

世田谷区で1時間に51ミリ、江戸川区で同38.5ミリを観測。

 

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↑東京の世田谷区・目黒区・品川区・大田区に大雨警報

 

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東京湾周辺で落雷がまとまってきています。

 

雲は東進しているので、今後は千葉市などで大雨や落雷に注意を。

千葉市市原市にも大雨警報が出ました。