気象予報士2670号(金子大輔)の天気・気象ブログ

お天気・気象ネタを書いていくブログです♪。気象好きな方、空や雲が好きな方、よろしくおねがいします。

関東で激しい雷雨・雹も

関東北部で発生した積乱雲は
ゆっくり南下し、局地的に非常に激しい雨をもたらしている。


雹については以下にまとめました。

togetter.com

今回の積乱雲は、落雷はそれほどではないが、
雨や雹がかなり激しいというタイプのようです。

 

 

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↑埼玉県北部で雨のピーク。

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↑しだいに南下し……。

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↑東京多摩地方でも激しい雨。

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↑さらに南下して。

 

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↑東京と神奈川の県境付近で強い雨

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↑雨量のわりに、落雷はまばらで控え目な印象。

 

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↑梅雨前線から伸びる気圧の谷の中に入っている。

 

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↑気圧の谷に相当するように、関東付近に大きな降水域が予想されていた。

 

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↑上空約1500mには暖かい空気が入り、強い上昇気流が予想されている。
上空5500mには約-10℃の寒気。

 

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↑積乱雲の相当するかのように、相当温位が高いエリアが
散在しているのもおもしろい特徴。

 

鹿児島中之島で1時間に99mmの猛烈な雨

3日早朝、鹿児島中之島で1時間に99mmの猛烈な雨が降った☔。

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2020年6月3日降水量

 

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2020年6月3日天気図

↑梅雨前線が鹿児島の南に停滞。
梅雨前線による集中豪雨は、梅雨前線のすぐ南で起こることが多いので、
やや変則的なパターンといえよう。

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2020年6月3日雲画像

↑真っ白に輝く雲が、鹿児島の南に映っている。
背の高い積乱雲の集団である。

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850hPa天気図

↑850hPaで18℃の暖気(晴れれば33℃くらいになる)に
沿うように、湿り域(梅雨前線)が横たわる。

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相当温位


↑そして、梅雨前線に沿うように、
相当温位342Kの湿った暖かな空気が流れている。


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予想天気図

↑さらに、鹿児島付近で風がぶつかり合っており、
これが積乱雲発達のトリガーになったと思われる。
梅雨にはよくあるパターンだ。

 

元・台風1号の熱帯低気圧が梅雨前線を刺激

台風1号から変わった熱帯低気圧が北上し、
梅雨前線に近づいてきています。
梅雨前線が刺激され、西~東日本では大雨になるかもしれません。

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天気図

熱帯低気圧は北東進。

 

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雲画像

熱帯低気圧付近と、前線に相当する朝鮮半島東側には
ゴツゴツとした積乱雲の集団。

 

 

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レーダー

↑積乱雲の対応するように、真っ赤な「流血エコー」が見られる。

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レーダー

↑すごいエコーだ。

 

 

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雷情報

↑雨量だけでなく、落雷⚡もかなり活発なようだ。

 

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竜巻発生頻度

↑竜巻🌀のリスクも高め。陸地にかかっていないことがせめてもの救いだ。

 

 

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相当温位

↑18日夜にかけ、熱帯低気圧に対応した湿った暖かな空気は、
東に移動し、強い雨の範囲も東へと移動。

 

 

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850hPa天気図

↑四国付近では、南からの湿った風が収束し、
雨量が多くなる可能性が高い。

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500hPa天気図

↑一方、黄海の上空5500m付近には強い寒気。
この寒気も、積乱雲発達のトリガーになっていると思われる。

5月15日からの九州での非常に激しい雨

15日深夜から、九州でしだいに雨脚が強まり、
各地で非常に激しい雨が降りました☔。

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雨量1

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雨量2

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雨量3

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レーダー

↑レーダーでも広い範囲に赤い「流血エコー」が広がっている。


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雲画像

↑雲画像でも、九州南部から三角形の積乱雲テーパリングクラウド
が見られる。これは集中豪雨でよくある雲のパターンです。


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850hPa天気図

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相当温位


↑上空約1500m付近では、
温かく湿った空気が九州付近でぶつかり合っているのがわかります(収束)。
これが積乱雲を発達させるトリガーとなりました。


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天気図

↑九州は、梅雨前線のすぐ南に位置しています。
前線のすぐ南は、豪雨が起きやすいとされています。

北関東(栃木・茨城)や北海道で雷雨、雹も

13日は、北関東や北海道で雷雨⚡になり、
雹が降ったところもあったようです。

はじめてtogetterというものを使い、
雹の報告をまとめました🍨

togetter.com

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レーダー1

↑午前中、栃木県に発生した雷雲。

 

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レーダー2

↑雷雲は東へと移動。

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レーダー3

↑雷雲の延長上の埼玉県内でも積乱雲が発生してくるが。

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レーダー4

↑埼玉県の雲は、すぐに弱まってしまいました。


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850hPa天気図

↑上空約1500mには、暖かな空気が入っています。

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500hPa天気図

↑一方、上空約5500mには冷たい空気が流れ込んでいます。
寒気の中心は、-33℃という強いもの。
このため、北海道でも大気の状態が不安定になりました。

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エマグラム

↑午前9時、館野のエマグラムでは、SSIはプラスの6.16となっており、
それほど不安定ではありません。

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SSI

↑しかし、午後にかけて茨城や神奈川で不安定が強まってきます。
神奈川では雷雲の発生はありませんでしたが。


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風向風速

↑赤いラインで、海風と陸風がぶつかっており、
雷雲発生のトリガーになったと思われます。

5月12日早朝の石垣島の集中豪雨

2020年5月12日早朝、石垣島付近で集中豪雨が発生⚡。
石垣島で1時間に125mmを観測しました。

石垣島地方気象台記録的短時間大雨情報を出し、
6時40分、石垣市市街地付近で120ミリ以上
竹富町竹富島付近で約120ミリの猛烈な雨が降った模様だと発表。

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先島諸島の雨量

↑当時のアメダスです。豪雨は局地的で、
となりの西表島では極端な雨は観測されていません。

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雲画像

石垣島付近に、白く輝く積乱雲が写っています。

 

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天気図

↑梅雨前線は先島諸島の北に停滞していました。
前線のすぐ南側は、集中豪雨が起きやすいとされます。

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風向風速

アメダスで風向を見てみると、
石垣島の南部付近で風がぶつかり合っているように見えます。



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850hPa天気図

石垣島上空約1500mには、暖かな空気が流れ込んでいました。

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500hPa天気図

↑一方、石垣島上空約5500mには強い寒気が流れ込んでいます。
(天気図を加工、色付けする際に少し補正をしています)


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エマグラム

↑上空1500mに暖気、上空5500mに寒気、
大気の状態が非常に不安定で、SSIは-5.35まで下がっていました。

【まとめ】
・風の収束(ぶつかり合い)で積乱雲が発達。
・大気の状態が不安定で積乱雲が発達。

1986年に関東に接近した台風

1986年に関東に接近した台風のお話です。
この年、関東地方に接近した台風は4つありました。

この年は、990hPa前後で接近した台風が目立ちました。


★6号(7月3~4日)
東京総雨量5.5mm、最大1時間雨量1.5mm、最大瞬間風速:北東9.8m。
ピーク985hPa、接近998hPa。
台風まで遠かったうえ、弱い台風だったので影響が軽微だった例です。

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1986年台風6月号



★8号(7月17~18日)
東京総雨量4.5mm、最大1時間雨量2.5mm、最大瞬間風速:北7.9m。
ピーク955hPa、接近時992hPa。

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1986年台風8号




★10号(8月4~5日)
東京総雨量214mm、最大1時間雨量30.5mm、最大瞬間風速:北北西17.6m。
ピーク980hPa、接近時985hPa。

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1986年台風10号




★15号(9月2~3日)
東京総雨量85.5mm、最大1時間雨量21.0mm、最大瞬間風速:東14.3m。
ピーク992hPa、接近時996hPa。

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1986年台風15号