気象予報士2670号(金子大輔)の天気・気象ブログ

お天気・気象ネタを書いていくブログです♪。気象好きな方、空や雲が好きな方、よろしくおねがいします。

雹(ヒョウ)はなぜ夏に降るの?

全国的に、雹が多いのは春から秋です。

日本海側では寒候期にもよく降りますが、その他の地域では、

夏を中心に降ります(関東では5月下旬、7月下旬にピークがあります)。

 

書籍によっては「夏は高温なので雹が溶けてしまい、

春や秋の方が雹が降りやすい」と書かれていますが、

個人的にはそんなことはないと思います。

 

どんなにクソ暑くても(35℃以上であっても)

積乱雲が発達すれば、余裕で降りますから(^^;)……。

 

これは2004年7月、横浜や横須賀に

直径3センチほどの雹を降らせた積乱雲です。

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雹はなぜ、暑い夏に降るのでしょうか?

 

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雲は、上昇気流があるところにできるのでしたね。

上昇気流が強いほど、雲は厚く(高く)発達します。

 

雲ができる上空は、地表に比べて低温です。

上空15kmにもなると、真夏でも-60℃以下になります。

このため、積乱雲の上の方は、

水の粒ではなく、氷の粒でできています。

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積乱雲でできた水や氷の粒は、重力で落ちてきますが、

強い上昇気流に会うと、再び上空に吹き上げられてしまいます。

 

そして、再び雲中の氷や水を凍りつかせながら落下、

また吹き上げられ、また落下……を何回も繰り返し、

ついに、上昇気流でも支えきれない大きな雹となって落ちてくるのです。

 

ですから、雹が降るときには強烈な上昇気流が存在している証拠です。

夏の激しい雷雨に伴って雹が降るのは、このためです。