気象予報士2670号(金子大輔)の天気・気象ブログ

お天気・気象ネタを書いていくブログです♪。気象好きな方、空や雲が好きな方、よろしくおねがいします。

関東南部の閉塞前線通過はヤバイ?!

2021年3月13日、関東地方を閉塞前線が通過し、
雷雨、ヒョウなどに見舞われました。

f:id:turquoisemoth:20210316170047p:plain

20210313

詳細はこの動画もご覧ください。

www.youtube.com


なお、閉塞前線には以下の2種類があります。

f:id:turquoisemoth:20210316165515p:plain

閉塞前線の種類

日本では寒冷型が多いのですが、今回は珍しく温暖型でした。
2014年2月15日の超大雪をもたらしたのは寒冷型の閉塞前線
あのときも雷を伴いました。

どうも関東地方南部においては、
閉塞前線で発雷する確率がかなり高いようです。

今度、閉塞前線の事例を集めて調べてみます。

雨予報だったのにまさかのドカ雪【1986年2月18~19日】

雨予報であったのに大雪になってしまった……。
(雪が降りだしたが、雨に変わると思われた)
その代表的な事例と言えます。

特に横浜の37cmは驚異的です。

【各地の積雪】

前橋26cm
宇都宮18cm
つくば22cm
水戸13cm
熊谷22cm
秩父25cm
東京18cm
八王子31cm
横浜37cm
千葉15cm
銚子0(降雪あり)
勝浦0(降雪あり)
館山0(降雪あり)
甲府46cm
河口湖32cm

f:id:turquoisemoth:20210213211204p:plain

1986年2月18日

南岸低気圧は1000hPaです。比較的陸地に近い所を通っています。

f:id:turquoisemoth:20210213211357p:plain

1986年2月19日

↑低気圧はほぼ東に進み、992hPaまで発達しました。

f:id:turquoisemoth:20210213211435p:plain

1986年2月18日

↑18日夜の上空約1500mの気温です。
西日本から気温が急上昇するように思われたが……。

f:id:turquoisemoth:20210213211504p:plain

1986年2月19日

↑19日朝のエマグラムです。
寒気が残り、館野上空はほぼ全層で氷点下になってしまいました。

東京・千葉の暴風雪【1992年2月1日】

1992年1月31日夜~2月1日朝にかけ、
南岸低気圧の影響で暴風雪(沿岸は暴風雨)になった。

東京は最大瞬間風速26.4mで雷も伴う、
銚子は35.9mの暴風雨。

降水量こそ多かったものの、爆弾低気圧型に特有というべきか、
後半は西方から暖気が入ったようで、
前橋や甲府、八王子で積雪が頭打ちになった。

【各地の積雪】
前橋8cm(1日未明に昇温)
宇都宮20cm
つくば15cm
水戸13cm
熊谷15cm
秩父19cm
東京17cm
八王子11cm(1日未明に一時昇温)
横浜15cm
千葉13cm
銚子0(降雪あり)
勝浦5cm
館山1cm
甲府5cm(1日未明に昇温)
河口湖35cm

f:id:turquoisemoth:20210213203039p:plain

1992年2月1日

↑東京では、降水が最も強まるタイミングで気温も極小に。


f:id:turquoisemoth:20210213202740p:plain

1992年1月31日

↑31日夜の段階で、南岸低気圧は992hPa

f:id:turquoisemoth:20210213202818p:plain

1992年2月1日

1日朝には閉塞前線を伴い、980hPaまで発達。

f:id:turquoisemoth:20210213202914p:plain

1992年1月31日

↑上空1500mの気温は、関東南岸で0℃前後。

f:id:turquoisemoth:20210213202952p:plain

1992年1月31日

↑エマグラムを見て見ると、850hPa付近に逆転層があり、
このために850hPaの気温が高めに見えたのだろう。

優等生的な南岸低気圧による大雪【1994年2月12日】

関東地方の大雪のほとんどは南岸低気圧によってもたらされますが、
1994年2月12日の事例は、「優等生的」ともいえる事例です。

低気圧がよく発達し(992hPa~980hPaで通過)、
上空約1500mで-6℃以下の寒気に覆われ、
降水が強く、東京で雷も観測されました。

【各地の積雪】
前橋20cm                
宇都宮19cm
つくば18cm
水戸16cm
熊谷17cm
秩父17cm
東京23cm
八王子21cm
横浜22cm
千葉23cm
銚子0cm(降雪あり)
勝浦1cm
館山0cm(降雪あり)
甲府23cm
河口湖24cm

南岸低気圧で滅多に雪にならない沿岸の一部を除き、
軒並み20cm前後の積雪で揃っているところが特徴的です。

f:id:turquoisemoth:20210213182213p:plain

1994年2月12日

↑9時の天気図。南岸低気圧は992hPaです。

f:id:turquoisemoth:20210213182303p:plain

1994年2月12日

↑21時の天気図。南岸低気圧は980hPaまで発達。

f:id:turquoisemoth:20210213182331p:plain

1994年2月12日

関東平野は、上空約1500mで-6℃以下の寒気に覆われています。

f:id:turquoisemoth:20210213182358p:plain

1994年2月12日

↑東京も、降雪が強い時間のほとんどが氷点下で経過しました。

最強高気圧と最強低気圧【2020年末~2021年始】

一般に、低気圧は中心気圧が低いほど強く、
高気圧は中心気圧が高いほど強いということができます。

世界最強の高気圧は、北半球の冬に形成される「シベリア高気圧」で
1030hPa、1040hPaはあたりまえです。

それが昨年末、モンゴル西部のTsetsen Uulで1093.5hPa
という驚異的な値を叩き出しました。
1090hPa以上を観測するのは、世界初です。


シベリア高気圧は、そもそも寒気の塊。
寒気が強いほど、高気圧としても強くなるので、
それだけ寒気が強まったということができます。

 

現に、シベリアのオイミャコンでは、
29日朝に-57.5℃を記録しています。


そして、問題の高気圧が載っている天気図が↓です(この時点では1084hPa)。

f:id:turquoisemoth:20210203131948p:plain

最強高気圧

一方、日本の東では低気圧が猛烈に発達していました。
台風では、870hPaまで下がった記録があるのですが、
温帯低気圧としては、924hPaがこれまでの最低でした。

問題の低気圧は、元旦に921hPaまで発達し、
史上最強の温帯低気圧となりました。

f:id:turquoisemoth:20210203132014p:plain

最強低気圧

年末に最強の高気圧、年始に最強の低気圧が現れ、
日本がそれに挟まれるという、なかなかすごい状況でした。

1999年2月3日~歴史に名を残す節分寒波

クリスマス寒波、年末寒波、正月寒波に続いて、
2月3日~4日の頃にくる寒波を、
節分寒波または立春寒波と言います。

この頃は、寒さが最も厳しい頃でもあり、
歴史に名を残しそうな寒波がいくつかありますが、
今回は1999年2月3日頃の節分寒波を紹介します。

この寒波では、八丈島、三宅島でも降雪に見舞われ、
ふだん雪の積もらない静岡県でも降雪、
浜松で積雪2cmを記録しています。

その他、高田(新潟県上越市)で降雪60cm、最深積雪105cm、
舞鶴で積雪36cm、新潟でも真冬日を観測しています。

冬型では、まったくと言っていいほど雪が降らない
関東平野においても、東京、横浜も雪ちらついたほか、
前橋では積雪6cm、館山で3cmに至りました。

f:id:turquoisemoth:20210203124321p:plain

1999年2月3日

850hPa(上空約1500m)の気温を見ると、
日本列島を-12℃の寒気が覆いつつあり、
輪島では-15.9℃(史上5位)を記録しました。

f:id:turquoisemoth:20210203124357p:plain

1999年2月3日

また、500hPa(上空約5500m)では、
館野(茨城県)で-41.3℃(史上2位)を記録しています。

f:id:turquoisemoth:20210203135350p:plain

1999年2月3日

850hPa、500hPaともに強い寒気が入り、
「優等生的」な節分寒波だったといえるでしょう。