気象予報士2670号(金子大輔)の天気・気象ブログ

お天気・気象ネタを書いていくブログです♪。気象好きな方、空や雲が好きな方、よろしくおねがいします。

温帯低気圧化しつつある台風21号から伸びる寒冷前線

猛威を振るった台風21号は、温帯低気圧に変わりました。

 

台風が温低化する=弱まる、ではありません。

台風(熱帯低気圧)は暖気のみでできた低気圧ですが、

これに寒気が流れ込んで、寒気と暖気がぶつかると

温帯低気圧という、別の構造を持った低気圧に変わるのです。

 

台風は前線を伴いませんが温帯低気圧はしばしば前線を伴います

温低に変わりつつある台風からは、長い寒冷前線が伸びてきました。

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厳密には、寒冷前線そのものというよりは、

前面の湿った暖かな空気が、積乱雲群を作ったと言えそうです。

この積乱雲の帯が、未明、関東南部を通過し、激しい雷雨になりました。

 

以下、レーダー画像、落雷情報、気象衛星です。

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台風21号、徳島県~兵庫県を直撃

1993年以来25年ぶりに「非常に強い」というランクで

台風21号は徳島県南部に上陸した。

 

ドボラック法では中心気圧950hPaと解析されていたが、

高知県室戸岬で11時前に934.8hPaを記録しており、

実際には930hPaくらいの台風であったことが推定される。

【各地の最大瞬間風速】

大阪府 田尻町 58.1メートル(史上1位)
和歌山県 和歌山市 57.4メートル(史上1位)
高知県 室戸市 55.3メートル
和歌山県 和歌山市 51.8メートル(9月としては史上1位)
大阪府 熊取町 51.2メートル(史上1位)
徳島県 美波町 50.3メートル(史上1位)
福井県 敦賀市 47.9メートル(史上1位)
大阪府 中央区 47.4メートル
愛知県 常滑市 46.3メートル(史上1位)
滋賀県 彦根市 46.2メートル(史上1位)

 

ではレーダーで上陸時の様子を見てみましょう。

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↑アイウオール(目を取り巻いて壁のようにそびえたつ積乱雲)

に伴う「流血エコー」が。

この下に入ると、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨の可能性。

 

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↑アイウオールがばらけて、

やや広範囲に広がったように見えます。

 

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↑だいぶカタチが崩れてきました。

アイウオールの積乱雲は広範囲に散らばり、

中心から離れたところでも、猛烈な雨が降りやすくなります。

 

関東はというと……。

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↑台風をとりまく南風に乗って、南海上から

小さいながら活発な積乱雲が北上しています。

この下に入ると、短時間とはいえ、

煙のように前が全く見えないほどの暴風雨になりました。

 

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↑積乱雲は、山にぶつかると停滞・発達するため、

山岳地帯で降水量が多くなるパターンです。

 

【関東各地の最大瞬間風速】

東京八王子市:31.5メートル
東京江戸川区:28.2メートル
 東京都心:26.8メートル
横浜:25.9メートル
千葉市:25.2メートル

 

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↑比較的目が明瞭なまま、上陸を迎えつつあります

沖縄以外では珍しいかもしれません。

 

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↑上陸した頃。

 

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↑可視画像でみると、雲頂が凸凹していて

積乱雲が発達していることがうかがえます。

 

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↑台風から南西方向にも、しっぽのように積乱雲の帯が伸びています。

台風が温帯低気圧化しつつあり、

寒冷前線に伴う雲であると考えられます。

 

 

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東京23区西部でゲリラ豪雨・ゲリラ雷雨、さいたまは雹も

27日、18時頃に東京ー埼玉堺で雷雲が発達し、
さいたま市などで激しく雹が降った。

 

その積乱雲は、19時頃から南下、

東京23区西部へと進んで、激しい落雷と豪雨をもたらした。

 

東京世田谷区付近で1時間に約110ミリ、練馬区で同71ミリなど。

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関東付近には前線が伸び、湿った空気が流れ込みやすくなっていた。

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北関東にそびえ立つ雷雲をチェイス【動画あり】

26日18時過ぎ、東京江戸川区から北方を拝むと、

成長しつつある積乱雲(雷雨)を発見⚡~!

 

以下4枚の写真は、18時15~25分くらいまでに撮ったのですが、

わずかな時間にカタチが変化しているのがわかります。

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レーダーを見ると、栃木~群馬~茨城~埼玉の4県に跨るあたり

雷雲が発達しつつあります。

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衛星画像でも確認できますが、一つだけポツンと発生したために、

遠くから見るとラピュタみたいな、タワーみたいな、

格好いい積乱雲に見えたのでしょう✨

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www.youtube.com

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神戸空港で稀に見る超暴風雨

台風20号は、兵庫県に再上陸。

中心気圧は980hPaと勢力を落としてきた。

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しかし、依然として猛烈に発達した積乱雲を伴い、

神戸空港では「最大瞬間風速42.2メートルを伴いながら、

1時間に136ミリの猛烈な雨」というとんでもない状況。

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強雨と強風が重なると、暴風雨はより威力を増すが、

史上最強クラスの暴風と最上最強クラスの雨が重なり

その恐ろしさは想像だにできぬ。

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「台風の勢力が弱まっても、雨雲が弱まるとは限らない」

「腐っても台風」のよい例といってよいだろう。

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台風20号、徳島県南部に上陸

台風20号は21時頃、徳島県南部に上陸

中心気圧965hPa、最大風速40メートル、最大瞬間風速55メートル。

 

実況としては、室戸岬で最大瞬間風速45.2メートルを観測。

また、紀伊半島の南東斜面では

1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降っている模様だ。

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台風本体の雲は、陸地に近づくにつれ、

青が黄色、そして真っ赤な流血エコーへと変化する……。

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特に、台風を取り巻く南東~東の風が、

山にぶつかるところで雲が発達している。

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気象衛星で見ると、目は不明瞭になったものの、

中心付近には、積乱雲の集団(アイウォールが白く輝いて写っている。

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なお、台風周辺にも湿った暖かな空気が流れ込み、

中部や関東地方でも、南~南東斜面で積乱雲が発達している。

山梨県道志村付近では、1時間に約100ミリの雨が降ったと推定され、

記録的短時間大雨情報が発表された。

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台風兄弟(19号・20号)が接近!

台風19号、20号が揃って日本に接近🌀

19号は950hPaで「非常に強い」ランク、

20号は955hPaで「強い」ランク。

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台風19号の影響で、

奄美地方では1時間に60ミリ前後の非常に激しい雨が降った。

最大瞬間風速は中之島51.4メートル、屋久島31.4メートルなど。

 

19号は今後、朝鮮半島を直撃したのち、

ロシア方面に向かう見込み。

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そして20号は、四国~東海を直撃する可能性が高い。

台風の進行方向右側に当たる関東でも、湿った南風が入り、

まとまった雨となるかもしれぬ。

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なお台風19号がもたらす南風が、山を越える「フェーン現象」が起こり、

日本海側で気温が特に上がっている。

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