西日本の広範囲で記録的な大雨になっている。
夜になると、8府県に大雨特別警報が発表された。
真っ赤な「流血エコー」が広範囲を覆っている。
見るからに恐ろしい。
関東でも、局地的に雨雲が発達している。
下記のコラムで書いてきた通り、
基本的に、梅雨前線下においては、
関東の降水は他地域に比べ、かなり弱いのが普通である。
実況地でも、あちらこちらで1時間に50~80ミリ超えの猛烈な雨。
あちらで収まれば、こちらで起こるという「モグラたたき状態」が続く。
梅雨前線はこのような感じ。まさに
「梅雨末期には、活発になった前線が列島を横切って豪雨になる」
と教科書に書かれる状態だ。
真っ白に輝く積乱雲が、九州北部~中国地方を覆っている。
予想天気図でも、いくつかシグナルは出ている。
前線付近には、非常に湿った暖かな空気が舌状に流れ込んでいるうえ(湿舌)、
風が集まってきている(収束)。
上空5500メートル付近でも、
西日本で風が収束している様子が見て取れる。
最後に松江のエマグラムである。
地表から上空まで湿潤で、大気の状態もやや不安定(SSIが2.19)。
積乱雲が発達した場合の、厚さ(高さ)の最大は
14000メートルくらいであろう。
この厚さがあれば、猛烈な雨を降らしうる。